預貯金の調査は死亡日時点の残高証明書を取得するだけで万全でしょうか。
相続などで財産を取得した相続人や受遺者への相続開始前3年以内の生前贈与は相続税の課税対象となりますし、亡くなる前に多額の預金を引き出し、手許に保管していれば、それも相続財産となります。死亡日前3~5年間の入出金を確認すると良いでしょう。
お亡くなりになった方の死亡日前の通帳が揃っていれば、入出金を確認することができますが、通帳を紛失していたり、インターネット専用で通帳を発行していない銀行や口座の場合はやっかいです。
そのような場合は取引明細を取得します。発行を依頼するときには、残高証明書の取得時と同様で、依頼書の他に①死亡記載の戸籍、②相続人であることがわかる戸籍、③相続人の印鑑証明書を添えて請求します。
通帳があっても長期間記帳をしていないと入出金をそれぞれまとめて合計記帳になっている場合もあります。合計記帳分も開示してもらいましょう。
取引明細を取得することで、相続人が知らなかった保険契約がわかったり、借入れが判明したり、はたまたお亡くなりなった方の通帳を管理していた方の使い込みが発覚することもあります。
このように預貯金の入出金を確認することは相続税の申告のみならず、遺産分割協議にも役立ちます。