ひげ所長のひとりごとArchives

2021年2月 February

先月18日、私の母が亡くなりました。満91歳(あと2週間で92歳)でした。

今年の元旦に発熱の為、救急搬送されました。新型コロナの感染症が疑われ、結果は陰性でしたが両肺に炎症を起こしていました。

その後6日になって脳梗塞を発症し、おそらくほとんど意識がなくなってしまいました。おそらくと書いたのは、コロナ禍の下で全く面会が許されなかったからです。

2~3日に1回リモートで様子がみれましたが…。母に大きく声を掛けるも反応があるのか無いのか…。母にはたいそう心細い思いをさせました。小康状態だったものの、携帯が鳴る度に病院からかとビクビクしていました。

そして恐れていた時がきました。

その電話が鳴った時、私は小さな大腸ポリープを内視鏡で切除してもらっているまさに最中で、最悪でした。支度も早々にあわてて病院に駆け付けたものの死に際には間に合いませんでした。最後まで親不孝な息子でした。

母は大阪生まれ。何不自由なく育てられたものの、当時女学生だった終戦間際の大阪大空襲で両親を喪いました。そんなこともあってか我々3人の子供達をとても大事に育ててくれました。一方、過干渉ぎみでいつまでも子離れのできない母親であったと思います。

昨年母がポツリと「お葬式が寂しいのはいやだな」と言うので「コロナ禍下だから無理!家族葬だな」と本心ではなかったものの冷たく返したのが悔やまれました。

母が想い描いていたであろうあこがれの葬儀を…。

生まれ育った大阪の玉水記念館の大ホールを使っての神式の葬儀。祭主は母がずっと以前よりお慕いしていた湯川彌壽善先生に。洋花をふんだんに盛り込んだ祭壇と生の奏楽。参列者は20人弱でしたが、華やかな葬儀になりました。ハードルは高かったけれど、きっと母も喜んでくれたことと思います。

これまで母とのふたり旅(3年前まで毎年出かけていました)について、何度かこのコラムで書いたことがありました。そのこともあっていまだに母の様子を気にかけてくださる方がいらっしゃいましたので、この場を借りてそのご交誼に感謝を申し上げさせて頂きます。

「ありがとうございました」

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