ひげ所長のひとりごとArchives

2025年3月 March

いまはやりの「ディール」という言葉。

本来は取引とか売買とかを意味しますが、米のトランプ大統領が使うと「優越的な立場を利用した駆け引きによって自分に有利に物事を運べるようにする取引」早い話、優越的地位の濫用って感じですかね(苦笑)。そうと分かっていて、応じざるを得ない各国首脳達の苦労はいかほどか…。

それはさておき、昔から今に至るまで受け継がれている経営哲学のひとつに近江商人の「三方よし」という考え方があります。

「買い手よし、売り手よし、世間よし」

昨今のディールを見ていると「世間よし」が軽んじられ、某中古車販売会社のようにともすれば「自分のみよし」みたいな風潮があるように感じます。

そんな中全く逆を行く人がいます。認定NPO法人八王子つばめ塾理事長の小宮位之(こみやたかゆき)さん47歳です。彼は経済的な理由で塾に通えない中高生の為に無料塾を開き、その輪を全国に広げています。

運営は民間から募った寄付金でまかなわれているそうで、ボランティア講師と共に個々の生徒に合った個別指導を行っています。2012年のスタート当初は、当然のことながら自身の生活費にも苦労したようで、隙間時間や深夜にできる複数のバイト代と奥さんのパート収入でしのいでいたそうです。

誰しも何故ここまでして?と疑問に思いますが、彼自身が貧困家庭に育って「13歳の頃の自分がして欲しかったことをしているだけ」と語っています。塾に通えないことで競争のスタートラインが下げられたという悔しい思いがあったのではないかと考えます。また、塾生の子供にとって「無償で一生懸命勉強を教えてくれる大人たちとの出会いが財産になり、将来自分も人の役に立ちたいと考えてくれる卒業生が一人でも増えることを信じている」とも。

被災地にボランティアにいく人達にも頭は下がりますが、この小宮さんの生き方は私にとって衝撃的でした。私自身、お客様の為、事務所の為、スタッフの為と口を酸っぱくして言っていますが、本音はいずれ巡り巡って自分に戻ってくるだろうと無意識のうちに期待してのこと。なんとも人間くさいですね(苦笑)。

無私無欲の境地に辿り着ける日はくるのでしょうか?

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