A.絶対にないとは言えませんが、可能性は低いのではないでしょうか。
国税通則法第74条の2 国税庁、国税局若しくは税務署の当該職員は各税金に関する調査について必要があるときは、納税者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他の物件を検査し、または当該物件の提示若しくは提出を求めることができる。と記されています。この条文には、税務署の調査官には質問検査権という権限があることがわかります。これがいわゆる税務調査です。
税務調査には事前予告調査と予告なし調査がありますが、両者に共通することは、次の①から④が挙げられます。
①税務調査には拒否する権利がありません。つまり税務調査は断ることが出来ないのです。
②実際に調査官が帳簿などを見てわからないことや確認したいことに質問をしてきますが、それに回答しなくてはいけません。
③8月から12月に調査件数や規模が大きく、年明けから確定申告時期(3月)は調査件数がかなり減り、4月から6月までまた件数が多くなります。これは税務署の人事異動に大きく影響されているからです。
④調査官が帳簿や請求書・領収書などを税務署に持ち帰りたいと言ってきたら、あくまでも任意ですので断ることもできます。
これらの税務調査の流れから考えて、予告なし調査として現地に訪れて帳簿や請求書などの証拠書類を押さえるのが調査としては効果的です。特に現金で商売を行っている飲食店などでは事前連絡をして調査日を特定してしまうと、売上金額が適正に帳簿に反映されているかの判断がしにくくなってしまいます。
この予告なしの調査方法は、
①現金を取り扱っている場所の確認、現金実査の検証
②在庫商品の現物の確認
③経理データの保存されているPCの確認
④通帳確認
⑤金庫の中の確認
⑥代表者や経理責任者の持ち物確認
⑦代表者の自宅内の確認
など現金に関わる調査が主流です。
上記に示しましたが、予告なし調査も別の日に日程を調整することは出来ます。突然の訪問で頭は真っ白になったとよく聞きますが、そんなときこそ落ち着いて対応したいものです。
ご質問のアパート経営事業におけるこの無予告調査は、直接現金を扱う業種ではないので行われる可能性はかなりの確率で低いと思われます。