A.経理部長がコロナに感染した等一定のやむを得ない理由のもと、期限内に申告が困難な場合には個別に申告期限の延長が認められました。
令和2年4月8日0時に緊急事態宣言が発せられました。国民の命と健康を最大限に考え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をなくすための対策がとられました。それとほぼ同時に「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」が更新されました。
そのFAQにおいて法人税等の個別期限延長申請が可能となる具体的内容が記載されております。
期限延長の個別申請が認められている例として
①税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと
②法人の役員・経理責任者などが現在外国に滞在しており、ビザが発給されない又はそのおそれがあるなど入出国に制限等があること
③次のような事情により、企業、税理士事務所などにおいて通常の業務体制が維持できない状況が生じたこと
ア.経理担当部署の社員が、感染症に感染した又は感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合など当該部署を相当の期間,閉鎖しなければならなくなったこと
イ.学校の臨時休業の影響や感染症防止のため企業が休暇取得の勧奨を行ったことで、経理担当部署の社員の多くが休暇を取得していること
④感染症の拡大防止のため多数の株主を招集させないよう定時株主総会の開催時期を遅らせるといった緊急措置を講じたこと
などとされています。
また、4月6日更新のFAQの追加事項として、法人についても新型コロナウイルス感染症の各地での感染の拡大状況を踏まえ、個人の取扱いと同様に、柔軟に確定申告を受け付けることと記載されました。具体例のような理由以外であっても期限までに申告が困難な場合には、所轄の税務署にご相談下さい。また申告はしたものの資金繰りの悪化で納付できない場合には、救済措置として納付の納税猶予制度が設けられています。納期限前であっても、税務署では相談にのってくれます。併せて検討してみてください。
この記事掲載時には感染が終息していることを切に願っております。