税務相談室Archives

コロナ禍による路線価の減額補正

昨年7月に令和2年分の路線価の発表がありましたが、この路線価は令和2年1月1日時点での公示価格を基に算定したものでした。ここ数年、土地の価格は日本の好調な経済状況を反映し、毎年上昇傾向にありました。そのため、昨年7月に発表された路線価も、軒並み前年よりもアップしておりました。

しかし令和2年は新型コロナの流行により経済状況が悪化し、7月時点では土地の価格が大幅に下落する可能性があると考えられていました。そのため、国税庁は路線価について、9月に発表される都道府県地価調査の状況によっては、路線価の減額の検討をすると発表していました。

昨年中に減額措置の発表はありませんでしたが、今年の1月末に一部の地域について、令和2年分の路線価の減額補正をすると発表しました。減額補正は、路線価が時価より高くなっていることが確認された地域となります。昨年1月から6月の間には、路線価が時価を上回る地域は確認されなかったようですが、7月から9月の間には、路線価が時価より高くなってしまう地域が確認されました。

その地域は、大阪市中央区の心斎橋筋2丁目、宗右衛門町、道頓堀1丁目の3地域です。この3地域にある土地等を相続、贈与などで取得した場合は、従来の路線価で評価するのではなく、補正率を乗じた価格で評価することとなります。補正率は0.96で、国税庁のホームページでも確認することができます。

10月から12月の間の減額補正については、4月に発表することとなっています。ただし、名古屋市中区錦3丁目、大阪市中央区の千日前1・2丁目、道頓堀2丁目、難波1・3丁目、難波千日前、日本橋1・2丁目、南船場3丁目については、10月から12月の間の路線価が時価より高くなる可能性が高いと考えられます。そのため、昨年10月から12月にこれらの地域の土地等を贈与により取得した場合は、本来ならば3月15日までに贈与税の申告・納税をすべきところ、4月に予定されている路線価補正の発表の日から2か月以内に申告・納税すればよいこととなりました。また、4月の公表前に申告・納税してしまった人も、更正の請求をすれば、還付を受けられることとなります。

この記事をシェアする

その他の記事

グループ代表ブログひげ所長のひとりごと 税務に関するご相談にお答えします!税務相談室
PAGE TOPPAGE TOP

Copyright © 新宿で税理士を探すなら新宿総合会計事務所
All Rights Reserved.