3月22日に2023年の公示地価が国土交通省から発表されました。
公示地価とは、土地の取引において指標とされる1平方あたりの価格のことです。
公示地価は毎年1月1日時点の土地を国土交通省の鑑定委員会の方の評価により決定され、毎年3月下旬に公表されています。
似たような土地評価額として、相続税の計算で使用される路線価、固定資産税の計算で使用される固定資産評価額があり、用途に応じて適用する評価額が異なります。
今回、東京都内の公示地価は全用途平均、商業地、住宅地のいずれにおいても2年連続の上昇となりました。人の流れが回復基調であることから、観光地、オフィス街、マンション用地などで上昇したことが要因です。
東京都全域の前年比平均変動率によると、全用途平均が2.8%、商業地が3.3%、住宅地が2.6%の上昇となりました。都内の調査地点数は2602地点、2022年と比較可能な2570地点の90%超で上昇しました。東京都財務局のコメントによると、新型コロナウイルス対策の行動制限が緩和され、全体として回復基調となったとありました。
下記、商業地の上昇率上位と住宅地の上昇率上位を整理しました。
【商業地の上昇率上位】
1 台東区西浅草2-13-10 8.8%
2 足立区千住2-57-3外 8.0%
3 中野区中野3-36-15 7.9%
4 板橋区板橋1-48-12 7.1%
5 板橋区大和町14-14 7.1%
【住宅地の上昇率上位】
1 足立区綾瀬1-32-3 8.1%
2 足立区千住緑町1-2-1 7.9%
3 荒川区東日暮里1-3-2 7.8%
4 中野区新井2-8-10 7.5%
5 北区滝野川5-6-4 7.5%
商業地の上昇率1位の西浅草2-13-10は仲見世商店街などの中心地から少し外れた地点にあり、つくばエクスプレスの浅草駅前の好立地ながら割安感があるとのことから8.8%の上昇となっており、住宅地の上昇率1位の足立区綾瀬1-32-3は、JR綾瀬駅前で利便性が高く、マンション用地の需要が高いことが要因となりました。
公示地価の上昇に伴い、7月に発表される路線価も上昇が見込まれます。