相続税の申告や計算では、「金額」「価格」「価額」という言葉が頻繁に登場します。一見似たように思えるこれらの言葉ですが、それぞれに異なる意味と使い方があります。日常ではあまり気にすることはないかと思いますが、一つの豆知識として、ご参考になれば幸いです。
①辞書での意味
<金額(きんがく)>
「具体的な数字で表される金銭の量」
→ お金そのものの数量や計算の結果を表します。
<価格(かかく)>
「商品の価値を貨幣で表したもの。値段。」
→ 市場価値や取引で決まる値段を意味します。
<価額(かがく)>
「品物の値打ちに相当する金額」
→ あるものの価値を通貨の単位で評価した指標を意味します。
②相続税法におけるニュアンスの違いと使用例
<金額>
相続税法では、計算結果としての金銭の合計値を表します。納税額や控除額など、計算後に確定する数値です。
■使用例
・各相続人が支払う相続税の金額
・遺産総額から基礎控除を引いた課税遺産総額の金額
<価格>
相続財産の市場価値や取引価格を意味します。不動産や株式の「時価」などで用いられます。
■使用例
・土地の価格
・上場株式の価格
<価額>
相続税申告での「価額」は、財産や権利を評価基準に基づいて算定した金額を意味します。
相続税や贈与税を計算するための財産価値の基準となります。
■使用例
・各財産の価額(不動産、株式などの評価額)
・相続税評価額