本年も所得税確定申告の時期となりました。還付申告につきましては、1月より既に申告が開始しておりますが、納付税額のある方等につきましては、例年通り2月16日から3月15日までに申告を行うことになります。
1.平成29年分所得税確定申告の主な留意点
(1)セルフメディケーション税制の創設
「特定一般用医薬品等(一定のスイッチOTC医薬品)」購入費を年間1万2,000円超支払った場合に、医療費控除との選択適用により、当該1万2,000円を超える部分の金額(年間8万8,000円が限度)を総所得金額等から控除できる制度です。
(2)医療費控除の添付書類の改正
医療費控除の適用を受ける場合には、医療費の領収書を確定申告書に添付又は提示していましたが、平成29年分からは、領収書に代えて、医療費の明細書又は医療保険者等が発行する医療費通知書を確定申告書に添付することとなりました(セルフメディケーション税制による医療費控除の特例を適用する場合は、「セルフメディケーション税制の明細書」を添付します。)。
(3)給与所得控除の上限額が、220万円に引き下げられました。
給与収入が1,000万円を超える場合には、給与所得控除額は220万円になります。
(4)耐久性向上改修工事による税額控除の特例
ア.特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の拡充
特定増改築等についての住宅ローン控除の対象に、特定省エネ改修工事等と併せて行う次の一定の耐久性向上改修工事が追加されています。①小屋裏、②外壁、③浴室・脱衣室、④土台・軸組等、⑤床下、⑥基礎もしくは⑦地盤に関する劣化対策工事または⑧給排水管もしくは給湯管に関する維持管理もしくは更新を容易にするための工事で一定のもの
イ.既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の拡充
既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の適用対象となる工事に、耐震改修工事又は省エネ改修工事等と併せて行う耐久性向上改修工事等が追加されました。対象となる工事は(4)アと同様です。
なお、これらア及びイの改正は、増改築等をした居住用家屋を平成29年4月1日から平成33年12月31日の間に自己の居住の用に供する場合において適用されます。
2.平成30年以降の所得税から適用される主なもの
(1)配偶者控除・配偶者特別控除の見直し(平成30年分より適用)
(2)積立NISAの創設
(3)NISA、ジュニアNISAの非課税期間満了時の移管(ロールオーバー)の上限撤廃
NISAは平成30年12月31日以後に非課税期間が満了する上場株式等について適用
ジュニアNISAは平成32年12月31日以後に非課税期間が終了する上場株式等について適用