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所得拡大税制(平成29年度改正と平成30年度改正)

所得拡大税制とは賃上げをした法人につきまして、一定の要件を満たした場合に法人税額を控除する制度です。以下では主に中小企業者等(注1)向けの内容を記載致します。改正前では、その控除額は決算事業年度と基準事業年度(注2)とを比べ給与等(注3)の増加額の10%相当額でした。ただし、その控除できる金額は法人税額の20%が限度とされておりました。

平成29年度改正(平成29年4月1日以降に開始する事業年度について適用されます。)では、控除額がさらに拡大され一定の要件を満たした場合には従来の10%控除額にプラスして、決算事業年度とその直前事業年度の給与等とを比べその増加額の12%が控除されます。ただし、こちらも控除できる金額は法人税額の20%が限度とされます。

平成30年度改正(平成30年4月1日以降に開始する事業年度について適用されます。)では、適用を受けるための要件が簡素化され、かつ、その控除額は決算事業年度とその直前事業年度の給与等とを比べ、その増加額の15%とされました。さらに教育訓練費を一定割合増やした場合などには、上記15%の控除額が25%となります。ただし、こちらも控除できる金額は法人税額の20%が限度とされます。

なお、個人事業者につきましても一定要件を満たした場合には所得拡大税制を適用することができます。

(注1)中小企業者等とは資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人で、発行済株式等の一定割合を大規模法人に所有されていない法人をいいます。
(注2)基準事業年度とは、平成25年4月1日以降に開始する最も古い事業年度の一つ前の事業年度をいいます。例えば3月末決算法人の基準事業年度は平成24年4月1日から始まる事業年度となります。
(注3)所得拡大税制における給与等では役員及びその親族に対する給与等は除かれます。

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