所得税確定申告の時期となりました。申告期限は2月16日(火)から3月15日(月)までとなります。振替納税をご利用の場合の口座振替は4月19日(月)です。
令和2年分の申告を行う際の主な改正点をご紹介します。
1.青色申告特別控除の改正
65万円の控除額が55万円へ引き下げられました。ただし次のいずれかの要件を満たす場合は65万円が適用できます。
・ 仕訳帳及び総勘定元帳の電磁的記録の備付け及び保存
・ 確定申告書等を提出期限までにe-Taxを使用して提出(電子申告)
2.給与所得控除の改正
給与所得控除の額については令和2年から一律に10万円引き下げられることとなり、上限額も220万円から195万円に変更となりました。
3.公的年金等控除の改正
受け取る年金額による「1,000万円超の区分」及び年金以外の所得による3区分が新設され、控除額は受け取る年金額による「1,000万円超」の区分を除き、年金以外の所得が1,000万円以下の場合10万円、1,000万円超2,000万円以下の場合20万円および2,000万円超の場合30万円が一律引き下げられました。
4.所得金額調整控除の新設
次のいずれかに該当する場合は、各々計算した所得金額調整控除額を給与所得から控除します。①②両方該当するときは、①→②の順で適用します。
①23歳未満の扶養親族がいる等の要件に該当する年収850万円超のサラリーマン(上限15万円)
②給与と公的年⾦等の双⽅を受給、かつ、各々の所得⾦額をたした合計が10万円を超える場合(上限10万円)
5.基礎控除の改正
一律10万円引き上げた上で合計所得金額に応じた控除額の制限が設けられました。
6.扶養親族等の合計所得金額要件の改正
基礎控除の改正に伴い扶養親族等の合計所得金額等の要件が一律10万円引き上げられました。
7.ひとり親控除・寡婦(寡夫)控除の改正
従来の離婚・死別によるひとり親に加え、未婚のひとり親にも一定の要件に該当する人は“ひとり親”として35万円の所得控除を適用できるようになりました。また、これに伴い寡婦(寡夫)控除は、ひとり親に該当しない寡婦にかかる寡婦控除として一部要件が見直された上で改組され「特別の寡婦」は廃止されました。
8.申告の記載内容変更
申告書の記載内容が一部変更され、雑所得のうち“業務”の記載欄が追加されました。ここでの“業務”とは、事業所得に該当しない、原稿料・講演料・ネットオークションなどを利用した個人取引・食料品の配達などの副収入による所得を指します。これまでは公的年金等とそれ以外の2区分でしたが、3区分に分けて計算します。