令和2年7月10日からスタートした自筆証書遺言の保管制度が話題になっております。令和4年2月末時点の保管件数は3万1682件になりました。公正証書遺言と比較して、手続きが簡易で費用もかからない、さらにこれまで自筆証書遺言のデメリットであった遺言書が発見されない、相続人に破棄される危険性などがなくなり、相続発生後の検認手続きも不要といったところがメリットとして利用者が伸びている状況です。
このように手間のかからない便利な制度ではありますが、落とし穴が潜んでいることがマスコミなどを通じて世の中に浸透しつつあります。それは、そもそもの「遺言書の書き方」について正しい理解がされておらず、スタートラインから躓くケースが多いということです。遺言書を保管する法務局は形式的な確認のみですので、遺言書の内容について相談はできません。また、有効性の保証もされません。遺言書を作成するそもそもの目的は遺言者の思いを伝えたいということもありますが、相続人間での分割トラブルを回避し、円満な相続手続きがされることだと思います。しかしながら、不動産や自社株などの評価額が適正か否か、さらに偏った分割内容にした場合の遺留分(法定相続人が最低限もらえる財産額)の問題などをクリアにした遺言書が作成されないと、却って遺産トラブルを招いてしまう結果になることがあります。また、問題視されるケースとして遺言者の意思能力に関する点があります。法務局で保管してもらう際に遺言者の意思能力の有無は確認しませんので、適正に作成した自筆証書遺言であっても、その有効性が担保されないため、遺言内容に異議がある相続人から意思能力を問題として裁判に発展する可能性があります。
こういった事情から自筆証書遺言ではなく公正証書遺言を作成することが遺産トラブルを回避する上では優れています。
そこで、SGAではワンパック遺言「道しるべ」という税理士が作成をお手伝いする公正証書遺言作成サービスを提供しております。相続税、遺留分問題などにも対応しており、証人2名分の費用も含めて税込13万2千円でお引き受けします。(公証人手数料は除きます。)
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