所得税確定申告の時期となりました。申告期間は令和5年2月16日(木)から令和5年3月15日(水)までとなります。振替納税をご利用の場合の口座振替は令和5年4月24日(月)です。
令和4年度の確定申告を行う際の主な改正点をご紹介致します。
1.確定申告書様式の変更
確定申告書Aについては確定申告書Bに一本化され、令和4年分の確定申告から廃止されることになりました。
また、修正申告の際に使用していた、第5表(修正申告用)も廃止となります。
2.住宅ローン控除制度の改正
住宅ローン控除制度の適用期間が4年間延長され、令和7年12月31日までとされるとともに、次のような改正が行われました。
(1)令和4年から令和7年までの間に居住の用に供した場合の借入限度額、控除率及び控除期間は以下の通りです。(下記表1,2参照)
控除期間は13年のまま変更はありませんが、控除率は1%から0.7%へと引き下げられます。
表1:認定住宅等以外の住宅の場合
居住年 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 |
令和4年・令和5年 | 3,000万円 | 0.7% | 13年 |
令和6年・令和7年 | 2,000万円 | 10年 |
表2:認定住宅等の場合
居住年 | 借入限度額 | 控除率 | 控除期間 | |
認定住宅 | 令和4年・令和5年 | 5,000万円 | 0.7% | 13年 |
令和6年・令和7年 | 4,500万円 | |||
ZEH水準エネ住宅 | 令和4年・令和5年 | 4,500万円 | ||
令和6年・令和7年 | 3,500万円 | |||
省エネ基準適合住宅 | 令和4年・令和5年 | 4,000万円 | ||
令和6年・令和7年 | 3,000万円 |
なお、中古住宅を取得した場合は次の通りとなり取扱が異なりますので、ご注意ください。
中古住宅を取得した場合
認定住宅等以外の住宅…借入限度額2,000万円、控除期間10年
認定住宅等…借入限度額3,000万円、控除期間10年
(2)所得要件
令和4年1月1日以降居住の用に供した場合は、住宅ローン控除を適用できる個人の所得要件がこれまでよりも厳しくなり、年間の所得金額が3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げられます。
(3)合計所得1,000万円以下の場合
床面積40㎡以上50㎡未満で令和5年12月31日以前に建築確認を受けたものの新築または建築後使用されたことのないものの取得についても、本特例の適用が可能となります。
(4)中古住宅の要件
築年数要件(耐火住宅25年、非耐火住宅20年)は令和4年度より廃止され、一定の耐震基準(昭和57年1月1日以後に建築されたもの等)に適合している家屋であるという要件が追加されます。
3.雑所得についての改正
雑所得の取扱いが次のようになります。
(1)前々年の収入金額が300万円以下の場合
現金主義による所得計算の特例適用が可能となります。この特例の適用を受ける場合には、確定申告書の第1表の雑所得の業務の区分欄に「1」と記入します。
(2)前々年の収入金額が300万円超
現金預金取引等関係書類(受領した請求書や領収書等で一定のもの)を、翌年3月16日から5年間、住所地等に保存しなければなりません。
(3)前々年の収入金額が1,000万円超
収支内訳書を確定申告書に添付しなければなりません。なお、令和4年分の収支内訳書には、雑所得か、営業等(事業所得)かのいずれかに〇をつける欄が新設されます。