SGAコラムArchives

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の見直しについて

制度内容が大きく変化し続けているインボイス制度ですが、その中でも大きく見直しをされたものとして主に小規模事業者に係る消費税額の計算方法が挙げられますので今回のトピックとします。

〈特例による消費税額の計算方法:2割特例〉
まず、インボイスを発行するためには消費税を納める事業者(課税事業者)になる必要があります。また消費税の計算方法には2つあり、1つ目は原則的な方法による売上で預かった消費税から仕入や経費で支払ったものに係る消費税を差し引く方法です。そして2つ目は基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合に選択できる簡易課税制度という計算方法です。

通常はこのどちらかを選択して消費税の計算を行いますが、今回のインボイス制度導入に際しては上記2つに加えて2割特例という消費税の計算方法を選択できる場合があります。

この2割特例とはどのような特例かといいますと、インボイス制度に登録するまでは消費税を納める必要がない事業者(免税事業者)であった者がインボイス制度に伴い課税事業者となった場合、3年間限定で納める消費税額を売上に係る消費税額の2割とするものです。

この特例のメリットとしては、申告時にこの特例を採用するか否かを選べる事と上記2つの消費税計算方法に比べ消費税の納税額を軽減できる可能性が挙げられます。
注意点としましては、課税売上高が1,000万円を超えた場合にはその事業年度から数えて2年後の事業年度では当該特例は選択できなくなります。

〈その他の特例〉
その他の特例措置としては、基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者は令和5年10月1日から令和11年9月30日までに国内において行う課税仕入について、その額が税込1万円未満の場合には一定の事項が記載された帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる措置と、売上の返還等に係る税込金額が1万円未満の場合にはその適格返還請求書の交付を免除する措置があります。

また、インボイス制度の登録を令和5年10月1日に受けようとする場合の登録期限は原則としては令和5年3月31日ですが令和5年9月30日まで認められました。
インボイス制度についてはさらなる制度内容の変更の可能性があるので今後も注視をしていく必要があります。

この記事をシェアする

その他の記事

グループ代表ブログひげ所長のひとりごと 税務に関するご相談にお答えします!税務相談室
PAGE TOPPAGE TOP

Copyright © 新宿で税理士を探すなら新宿総合会計事務所
All Rights Reserved.