１．現況調査とは
税務調査とは、納税者が行った申告の内容が正しいものであるかを調査するもので、その手法には大きく分けて「強制調査」と「任意調査」があります。強制調査は、国税局査察部（いわゆる”マルサ”）によって、納税者の意思とは関係なく強制的に行われます。一方で任意調査は、税務署あるいは国税局が実施するいわゆる通常の調査で、納税者の任意の協力により実施されます。ただし、虚偽答弁を行ったり正当な理由なく調査官の要求を拒んだりした場合には罰則が規定されています。現況調査は任意調査の一種で、特に飲食店や商店等、現金商売をしている会社に対して行われる可能性が高いです。不正が行われている場合にその証拠を隠蔽される可能性があることから、事前の連絡なしに突然調査官が店舗及び社長の自宅他に調査に訪れます。
２．現況調査への備え
現況調査は予告なしに突然やってきますので、資料の整理整頓と毎日の記帳が必要不可欠です。例えば次の事項が当日の調査で確認されますので、これらの資料を速やかに提示できる状況を日々作っていることが重要になります。
●前日の売上が正しく帳簿に記入され、その現金が売上伝票やレジペーパーと合致しているでしょうか。飲食店等で予約帳がある場合には予約帳も調べられます。売上が漏れなく計上されているでしょうか。
●レジ現金有高は前日の現金売上につり銭現金を足した額となっているでしょうか。
●レジ周りは整理されているでしょうか。
●机周りは整理されているでしょうか。社長や従業員の認印等は分けて保管してください。
●売上金を社長宅、事務所に保管しているときは、その保管場所は整理されているでしょうか。個人の現金とは混合せず、分けて保管してください。
３．現況調査が来たら
調査官は通常、店舗であれば開店前の時間、社長自宅や事務所・会社には9時～10時頃に突然やってきます。現況調査ではその初期対応が非常に重要ですので、次の順序でご対応ください。
●落ち着いて、担当官の名前と部門をメモしてください。
●「強制調査」か「任意調査」どちらであるかを聞いてください。
●ＳＧＡに連絡する旨を調査官に伝えてください。
●調査官には外で待機するようお願いしてください（決して中には入れないでください）。
●調査官が来た旨をＳＧＡの担当者にご連絡ください。
●ＳＧＡが調査官と対応いたしますので、ＳＧＡからの指示・報告をお待ちください。
コロナ禍が明け、税務調査が非常に活発になってきております。いざ税務調査の際には、ＳＧＡが税務代理として皆様の代弁をしっかりと行いますのでご安心下さい。
