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令和6年度税制改正 賃上げ促進税制の見直し

賃上げ促進税制とは企業が従業員の給与を一定割合以上引き上げた場合に、法人税の軽減を受けることができる制度です。同制度は以前より存在しておりましたが令和6年度の税制改正で変更点がありましたのでそのうち特筆すべき点につきまして中小企業を主軸にご紹介します。

今回の改正点として、まず税額控除率の増加が挙げられます。改正前においては給与等支給増加額のうち最大控除率が40%でしたが、今回の改正によって5%増加の最大45%(中小以外は35%)に引き上げられました。この引き上げに関する内容としては一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍推進における取組の実施状況が優良である等の一定要件を満たした場合に認定される「えるぼし」と子育てサポート企業として、厚生労働大臣に認定を受けた証である「くるみん」のどちらかの認定を受けている必要があり、最大税額控除45%を適用するには「くるみん以上orえるぼし二段階目以上」が要件となっています(中小企業以外は別要件)。ただし、法人税額等の20%が税額控除の上限額となりますのでご注意ください。

次に挙げる改正点として、中小企業のみ繰越控除が可能になった点です。今回の改正において賃上げを実施した年度に控除しきれなかった金額を5年間にわたり繰り越すことが可能となりました。これは該当年度が赤字で法人税額が0円だった場合に給与増加率が要件を満たしていたとしても、税額控除が適用できない場合等に対応するものです。注意点としては繰越控除をする事業年度において全雇用者の給与等支給額が前年度より増加している場合に限り適用可能となる点です。また繰越額の全てを控除できるわけではなく、繰越控除を適用する事業年度の法人税額等の20%が控除の限度額となる点にも注意が必要です。

以上の賃上げ促進税制における改正適用年度につきまして、法人においては令和6年4月1日以後に開始する事業年度であり個人事業主については令和7年分から適用になります。同制度を適用するにあたっては細かい要件や提出が必要となる書類がございますので各担当者にご相談いただければと思います。

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