7月1日、国税庁から令和6年分の路線価が公表されました。
路線価とは、主要道路に面した1㎡あたりの土地の単価(千円単位)であり、相続税や贈与税の計算にかかわる不動産評価の重要な価額になります。路線価の決定には、1月1日時点の公示価格が基準となり、公示価格のおよそ8割が目安とされています。
今年の全国平均上昇率は2.3%で3年連続の上昇となりました。この上昇率は、2010年に現在の計算方法が導入されて以来最大となりました。主な要因として、各エリアでの再開発プロジェクトの活性化や、コロナ明けのインバウンド需要の増加などが考えられ、全国各地で路線価が大幅に変動しました。
都道府県庁所在地で最も路線価の上昇率が高かったのは千葉市中央区千葉駅前東口駅前広場で、前年から14.9%増加しました。また、さいたま市大宮駅西口駅前ロータリーも11.4%の上昇を記録しています。
都道府県別に評価基準額の変動率平均値を見ると、福岡県が5.8%で1位、沖縄県が5.6%で2位、そして東京都は3位の5.3%と前年を大きく上回りました。
以下は全国主要都市別の最高路線価トップ5です。
(1㎡あたり、単位:万円、カッコ内は対前年増減率)
順位 | 最高路線価の所在地 | R6年分最高路線価 | ||
---|---|---|---|---|
1 | 東京 | 中央区銀座5丁目銀座中央通り | 4,424 | (3.6%) |
2 | 大阪 | 北区角田町御堂筋 | 2,024 | (5.4%) |
3 | 横浜 | 西区南幸1丁目横浜駅西口バスターミナル前通り | 1,696 | (1.0%) |
4 | 名古屋 | 中村区名駅1丁目名駅通り | 1,288 | (0.6%) |
5 | 福岡 | 中央区天神2丁目渡辺通り | 944 | (4.4%) |
東京の銀座は39年連続で全国最高の路線価を維持しており、前年から3.6%増加して4,424万円/㎡とコロナ禍前の平成29年分(4,032万円)を上回りました。大阪の御堂筋も前年比5.4%増の2,024万円/㎡で、大阪市において過去30年間で2番目の高値となっています。
今年も全国各地で地価が上昇し、特に大都市圏での変動が目立っています。地価の動向は相続税や贈与税の計算に大きく影響を与える可能性があります。
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