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「現況調査」について

税務調査には「強制調査」と「任意調査」の二種類があります。強制調査は、納税者の同意なく、家屋に立ち入り証拠物を押収する非常に厳しい手法が取られます。一方で、任意調査は納税者の同意を得て行われる調査でその中間に位置するのが「現況調査」といわれるものです。

1.現況調査とは何か
現況調査は任意調査の一種ですが、税務署が納税者の申告内容が実際の事業活動と一致しているかを確認するために行われます。調査官が事前の通知なしに突然訪れ、現場の状況を確認するのが特徴です。特に飲食店や小売業など、現金を扱う事業者が対象となることが多く、事前に通知すると不正が隠蔽される恐れがあるため、予告なしに実施されます。

2.現況調査の対象
現況調査の対象は、現金を扱う事業者が多いという傾向はありますが、特定の業種や規模に関わらず、全ての法人および個人事業主が含まれます。税務署が申告内容に疑問を持った場合や、過去の申告内容と実際の事業活動に不一致が見られた場合に、重点的に調査が行われることが多いです。また、業績の急激な変動や、税務署のデータ分析によって不自然な点があると判断された企業も対象となる可能性があります。したがって、全ての事業者が現況調査の対象となり得ることを認識し、日頃から備えておくことが重要です。

3.現況調査への備え
現況調査に備えるためには、日頃からの整理整頓と正確な帳簿記帳が不可欠です。以下の点に注意して、日々の業務を行ってください。

帳簿と現金の一致…毎日の売上が帳簿に正しく記帳され、レジの現金が伝票やレシートと一致しているか確認してください
レジ・金庫の管理…レジ周りや金庫内は常に整理し、売上金は会社の現金と混ざらないように管理しましょう
必要資料の整備…調査官から求められた場合に、すぐに必要な資料を提出できるように準備しておくことが大切です

4.現況調査が実施された場合の初期対応
現況調査では、その初期対応が非常に重要です。調査官が突然訪れた際は、以下の手順で落ち着いて対応してください。

①担当官の名前と部門をメモしてください
②「強制調査」か「任意調査」どちらであるかを聞いてください
③SGAに連絡する旨を調査官に伝えてください
④調査官には外で待機するようお願いしてください(決して中には入れないでください)
⑤調査官が来た旨をSGAの担当者にご連絡ください
⑥SGAが調査官と対応いたしますので、SGAからの指示・報告をお待ちください

調査官は何気ない会話からも参考となるようなことを聞き出そうとします。SGAが到着するまで調査官との接触は上記の手順を踏んで最小限にとどめておいてください。

コロナ禍のあいだ大きく落ち込んだ調査件数ですが、ほぼコロナ前の水準に戻りつつあります。適切な準備と初期対応を行い、スムーズな調査対応を目指しましょう。

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